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相手拠点への打撃力を持つことで日本への攻撃を躊躇(ちゅうちょ)させる「反撃能力」の保有を念頭に、防衛省が導入する長射程ミサイルについて、おおむね10年後までに必要量の1500基規模を確保する方向で検討していることが11月6日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。当面は米国の巡航ミサイル「トマホーク」を購入、長期的に国産ミサイルの量産態勢を整える方針だ。
防衛省の計画では、侵攻してくる敵のミサイル射程圏外から攻撃できる長射程の「スタンド・オフ・ミサイル」について、今後5年間で実践的な運用能力の獲得を目指す。その後、おおむね10年後までに、より先進的な装備をそろえ、必要量である1500基規模を確保する。
スタンド・オフ・ミサイルの柱となるのは、国産の「12式地対艦誘導弾」。百数十キロ程度の射程を中国大陸まで届く1千キロ以上に延伸した改良型を令和8年度以降に運用開始する。
12式は基本的に地上発射型だが、戦闘機から発射する空発型、艦艇から発射する艦発型も開発する。12式の量産化まで海外輸入品を活用して穴を埋めるため、政府はトマホークの購入を米国に打診している。
また、これら長射程ミサイルの潜水艦発射型の保有を検討していることも新たに分かった。トマホークは既に潜水艦発射型があり、12式の派生型開発が可能かどうかを検討する。従来型よりも、長射程ミサイルを搭載できるように大型化した試験艦建造も視野に入れる。
8年度には島嶼(とうしょ)防衛用として開発中の「高速滑空弾」が配備予定だ。マッハ5(音速の5倍)以上で飛ぶ「極超音速誘導弾」の研究開発も進める。これらについて、12式と同様に射程1千キロ以上に伸ばすことを想定している。